賃貸物件の価値を高めて安定した入居者を確保するためには、テナントリテンションが必要と言われていますが、どのような意味なのでしょうか。
今回の記事では、テナントリテンションとは何か、なぜ物件の資産価値を高められるのかについて、具体例を交えながら解説します。
マンションやアパートの空き室対策につながる話ですので、賃貸物件を運営する際の参考になさってください。
賃貸物件の運営に必要とされるテナントリテンションとは
テナントリテンションとは、現在住んでいる入居者を大切にして次の更新に結びつけるための取り組みです。
現在では、敷金・礼金が0円の賃貸物件が多くなり、住まいを借りる側としても気軽に引っ越しをしやすくなりました。
つまり、貸主からすると自ら率先して入居者を確保する行動に出ないと、空室になる確率が高いためにテナントリテンションに注目が集まっています。
なぜテナントリテンションをすると賃貸物件の価値が上昇するのか
テナントリテンションを実施することが、物件の価値の上昇に結びつく理由を以下で確認していきましょう。
空室問題に悩まされずに済む
同じ入居者に長く住んでもらえば、一定した入居率を保ち続けられますから、長期的に継続した家賃収入を得られます。
収益率が高ければ高いほどに不動産の資産価値がUPしますから、将来賃貸物件を売却される場合に相場よりも高い価格で売りに出せます。
入居者の募集に必要なコストを削減できる
新しい入居者を募集するためには、不動産会社への仲介手数料や宣伝費など、何かとお金がかかります。
入居者を一定数確保できていれば、新しい住民を探す必要がなくなり、賃貸物件の維持に掛かるコストを削減できます。
リフォーム費用を抑えられる
経年劣化によってクロスが傷んでしまったり、設備に不具合が見つかったときの原状回復費は、すべて貸主の負担になります。
修繕工事は入居者が退去したときにおこなわれるため、住民の出入りがなければリフォーム費用が発生しません。
高い家賃をキープできる
マンションの賃料は、築年数の経過に比例してどんどん値下がりする傾向にあります。
そのため、新築当初からの入居者に長く住み続けてもらったほうが、長期間に亘って高い家賃収入を得られます。
賃貸物件のテナントリテンションの具体例
賃貸物件のテナントリテンションの具体例としては、以下のようなものがあります。
●長期入居者を対象にエアコン、便器など古い設備の交換を行う
●更新時にハウスクリーニングのチケットをプレゼントする
●更新料の割引サービス
●セキュリティ会社に管理を頼んで安全な居住空間であるとアピールする
●共同スペースの清掃を専門業者に任せる
●更新時に食事券、ギフト券、旅行券をプレゼントする