監視カメラを設置していない駐車場で、車への落書きなどのトラブルが発生した場合には、不動産のオーナーは管理責任に問われるのでしょうか。
また、パーキングスペースに防犯カメラを設置するだけで、本当にトラブルを抑制できるのか気になる点です。
そこで今回の記事では、賃貸物件の駐車場に監視カメラを設置する義務が貸主にあるのかどうかについて解説します。
駐車場に監視カメラを設置することは貸主の義務なのか
必ずしも不動産の貸主が駐車場に監視カメラを設置する義務はなく、場内で何らかのトラブルが発生しても、貸主が管理責任能力に問われることはほぼないでしょう。
なぜなら、24時間警備員を場内に常駐させることはコストも掛かりますし、不特定多数の人が出入りする屋内であることから、トラブルを未然に防ぐ防止措置を怠っていたとしても、一般的に不動産の貸主に管理責任が発生しないと考えられているためです。
ただし、駐車場に監視カメラを設置していないと、トラブルに遭遇するリスクが高まってしまうため、期待どおりに契約者を確保できない可能性があります。
また、場内に防犯カメラを設置しておくと、車上荒らしなどに対して一定の効果を期待することができ、場内で警察沙汰になるようなトラブルが発生した際には、状況証拠として画像を利用できます。
ジュースの空き缶など、ゴミの不法投棄を抑制する効果も得られますので、場内の衛生面も改善されて、新規契約者の確保にもつながるでしょう。
駐車場に監視カメラを設置する際の注意点とは
防犯カメラで記録された情報により、家族構成やライフスタイルがわかってしまうため、うかつに画像をSNSなどにUPしてしまうと個人情報保護法に抵触します。
マンションで暮らす方のなかには、画像が悪用されないかどうか心配という方も多いものです。
そのため。場内の目立つ箇所に「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼って、通行人や住民にカメラが稼働していると知らせなければいけません。
また、マンションやアパートの駐車場に監視カメラを設置するときには、不動産の貸主が運用規定を作成して、場内にカメラを設置する目的や、画像の保存期間や利用権限を、建物内に暮らす住民に対して明確にしておくことが必要です。
さらに、監視カメラを設置する位置や角度によっては、近隣の住宅が映像に入り込んでしまう可能性があることも注意点の1つです。
お住まいの自治体ごとに、「防犯カメラの設置および運用に関する」ガイドラインが規定されているので、駐車場にカメラを設置する際にはこちらを事前に確認しておきましょう。